レナード衛藤 プロフィール

ニューヨーク生まれ。1984年より鼓童に参加。演奏や作曲だけでなく、音楽監督としてそれまでの太鼓のイメージを一新する活躍でグループをリードする。ひとつのスタイルを作り上げたその独創的な太鼓アンサンブルは、国内はもとより欧米の音楽シーンやエンタテインメントにまで大きな影響を与える。1992年に鼓童を離れ、ソロ活動を開始。多様なコラボレーションを通じて独自の世界観を打ち出していき、創作に挑戦し続けるその姿勢は多くの太鼓グループや太鼓奏者が存在する中でも異彩を放っている。これまでに55カ国を超える国々で演奏活動を行っている。

 

海外アーティストとの公演も多岐に渡っており、1994年に奈良・東大寺大仏殿で行われた「ザ・グレート・ミュージック・エクスぺリエンス(GME’94)」では、ボブ・ディラン、ボンジョヴィ、ザ・チーフテンズ、レイ・クーパー(per.)、インエクセス、ロジャー・テイラー(QUEEN)などと共演し、パフォーマーとしての高い評価を得る。メガドラムス・ヨーロッパツアーをはじめ、様々なフェスティバルやレコーディングを通じて、スージー&ザ・バンシーズ(ザ・クリーチャーズ)、アンドレアス・ボーレンワイダー(Harp)、アイアート・モレイラ(per.)、ザキール・フセイン(tabla)、マックス・ローチ(ds.)、ドゥドゥ・ンジャエローズ(per.)、マイケル・シュリーブ(ds./ SANTANA)、サムルノリ(per.)、スティーヴン・ケント(ディジュリドゥ)などの錚々たるアーティストと共演している。

 

2004年、ザ・クリーチャーズのアルバム”HAI!”の制作に参加。ザ・クリーチャーズ(スージー・スー名義)の全米ツアーとロンドン公演に参加。同年、オリジナル太鼓アンサンブル・レオプロを率いて、国際交流基金主催のアフリカ中近東ツアー(南アフリカ、マダガスカル、バーレーン、クウェート)を行う。2007年、アルバム”Blendrums”(ブレンドラムス)と弦楽カルテットとのアルバム「蒼い月」を発表し、新境地を開拓。以降、”Blendrums”(ブレンドラムス)として海外ツアーが加速し、3度のヨーロッパツアー(イタリア・スイス・ドイツ・スペイン)を成功させている。

 

2011年には、デジタルサウンドを大胆に取り入れたアルバム”Power and Patience”(パワー・アンド・ペイシェンス)を発表。半年後には、DVD “Power of Blendrums”(パワー・オヴ・ブレンドラムス)を発表。また、国立劇場45周年記念公演に出演。さらに、4度目のアフリカとなる東アフリカツアー(タンザニア、マラウィ、エチオピア、ジブチ)、2012年には中央アジアツアー(カザフスタン、キルギス、グルジア)を成功させる。

 

これらの活動によって、2013年8月から2014年7月まで文化庁の文化交流使に指名され、ヨーロッパ7か国、チュニジア、インドにて充実した創作と演奏活動を行う。特にマルセイユ国立バレエ団、レーゲンスブルグ・ダンス、ミラノのスザンナ・ベルトラミ・ダンスカンパニーとの創作は大きな成果を生む。

 

レナードの楽曲は、”JFK”, “LION KING”, “THE HUNTED”, “THE THIN RED LINE”などのハリウッド映画やダンス・パフォーマンス、オリンピック競技演目、CMなどに数多く使用されている。鼓童在籍時に作曲した族(Zoku)、彩(Irodori)、LIONといった楽曲は太鼓の曲として今なお世界的に熱い支持を得ている。ダンス界においても、クラシックバレエのパトリック・デュポン、ニーナ・アナニアシビリ(1998年「夢の中の日本」共演、2022年ジョージアにて再演)、フリオ・ボッカ、さらにはフィギュア・スケートのエルビス・ストイコなどが楽曲を使用。

 

アメリカのモダンダンスグループ・ピロボラスからの委嘱作品”TSU-KU-TSU”は、ダンスと太鼓パフォーマンスがひとつになった傑作。2000年にボストン初演後、ダンスの殿堂ニューヨーク・ジョイスシアターで3週間公演され、ニューヨーク・タイムズがレナードを大きく特集するなど好評を博す。その後も作品はピロボラスのスタンダードとして世界中で上演されている。

 

「レナードの明度の高い祝祭のエッセンスと根源的喜びを切り抜いたところが、説明抜きに民族を超えてメッセージと成り得るに違いない。聴く人はレナードの発する音の形をした自由に身を任せればいいのだ。毎日新聞/川崎浩」

 

父は筝(こと)生田衛藤流家元の衛藤公雄(2012年没)。1950年代のアメリカを舞台にレオポルド・ストコフスキー(指揮)やハリー・べラフォンテ(歌手)と共演するなど活躍する。5つ上の兄は、重金属打楽器奏者のスティーヴ・エトウ。

 

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